子供が産まれる前から、週に一度、2人でお気に入りのうどん屋さんで食べるのが楽しみだった。
東映の撮影所の近くにあるうどん屋さん。
実家のある群馬県の小麦粉や、蕎麦粉を使ってうどんや蕎麦を黙々と打つご主人。
丁寧さや、繊細さが、見ていても、汁からも、麺からも、揚げ玉からも、伝わってくる。
ん~。ん~。
毎週食べているのに、毎回感動して、2人でうなりながら食べている姿は、オヤジ2人だ(^^;
引っ越してから今だに、度々、子供達の成長とともに行く。
そして、食べるのは、毎回、たぬきうどん。
子供達も。
作り手の想いが沢山詰まり詰まった、
この一杯が600円は、どう考えても安すぎる。
暑い夏でも、あったかいたぬきうどん。
昔から2人が、たぬきうどんの汁まで飲み干してしまうところは、美味しいお店。
と、暗黙の了解だった。
初めての感動のうなり声をあげてから、
もう20年以上たつ。
今でもお店に顔を出すと、たぬきね!と、店主やおかみさんはいう。
娘が、自分の成長の報告をしにうどん屋さんへ行った時、
あなたのお父さんとお母さんは、このうどん屋を始めたばかりのお客様でね、
毎回、うどんの汁を最後までキレイにのんでくれるお客様なんて嬉しくってさ、思い入れのあるお客様なんだょ。って話をしてくれたょって
、そんな店主の心うちを教えてくれた。
そこで出てくるお茶は、蕎麦茶なので、子供が食べられるようになった頃は、ほかにお水をもらい、小さな容器ももらい、うどんを細かくちぎって、水で少し洗い熱さを落とし、塩分を落として食べさせる。
それも、一回頼んだだけで、次回からは、毎回蕎麦茶にプラスお水を持って来てくれた。
店主は、海釣りが好きで、釣りへ行ってくると、たぬきうどんの他に、小海老の天ぷらを持ってきてこれ、食べてみて~!と、出してくれた。
汁をのんだだけで、なんとも懐かしい世界が広がって、透き通るような、みずみずしい麺をすするだけで、あたたかい感動に包まれる、
それだけで幸せなのに、
押しつけない心配り、サービスは、
これまた、なんとも余韻の残る
鬼平犯科帳の世界。(←なんかよくわからない方はスルーしてください^^)
ありがとうございます。
毎回、私達が思う。
そして、
また、来たいって思う。
そして、私も、
お客様から、
ありがとう。
また、くるね!
そう言ってもらえるような仕事をしたい。
そう思っています。